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2020年3月18日水曜日

イツァーク・パールマンとグルーポ・コーポ

本当に忘れてしまう前に、こちらまとめて書いておきます。
それにしても、シアターへ行けないのは寂しいですね。



まずは、1月にオレゴンシンフォニーのゲストとして登場したバイオリニスト、イツァーク・パールマン(Itzhak Perlman)の演奏です。
演目は、Beethoven: Violin Concerto。後半に車椅子で登場したイツァーク氏。存在感、すごい。そして、バイオリンがあんな風に和音のような音を出せるなんて知りませんでした。それに、ゆっくり弓を動かしているのに、その1度の動きでいくつもの音が速いスピードで出てくるのにも驚きました。すごーい。さすが世界最高峰のバイオリニストです。
アンコールが一切なかったのはちょっと寂しい気もしましたが、ご高齢ですもんね。日本でのフェアウェルツアー、無事開催されるといいですね・・・。



もう1つは、2月にWhite Birdが招聘したブラジルのダンスグループ、グルーポ・コルポ(Grupo Corpo)。大好きなグループで、ブラジルでは毎年のように見に出かけていて、ちょっと飽きてきたかも?とか思っていたのですが、今回、久しぶりに見たら、やっぱり格好良かった!会場もいっぱいでちょっと嬉しかったです。

演目は、Bach(1996)とGira(2017)。いつも通り、過去と最近の2つの舞台です。
Bachの方は、オルガンのような棒の演出が素敵。



Giraとは、ブラジルの「アフリカ色の濃い心霊主義的習合宗教」ウンバンダ(umbanda)の儀式のことで、そこからインスピレーションを得たものです。
中でもフィーチャーされるオリシャ(神々)は、性欲と生命力を司るエシュ(Exu)だとか。アフロブラジルのリズムと動きがかっこいいブラジルのグループらしい作品でした。




2019年11月19日火曜日

山海塾とチック・コリア

最近、面白いショーを2つ見ました。忘れないように、書いておきます。

1つ目は久しぶりの山海塾。シアトルまで出かけて参りました。
場所は、ワシントン大学のMeany Center。

キャンパス内の教会
演目は、「海の賑わい 陸の静寂―めぐり(MEGURI: Teeming Sea, Tranquil Land)」



モチーフはウミユリなんだとか。山海塾の独特の世界観が堪能できました。
それから、青いライトのプールや天井から1つ釣られた水盤といった水の表現が印象的です。山海塾の舞台は、観客それぞれの解釈ができるのもいいなと。

シュニッツアーホールのバーの天井

2つ目は、グラミー賞常連のジャズピアニスト、チック・コリア(Chick Corea)。アーリーン シュニッツアー コンサート ホールで開催のオレゴンシンフォニーとの共演です。演目は
Mozart: Don Giovanni Overture
• Chick Corea: Piano Concerto No. 1
• Gershwin: Selections for Solo Piano
• Gershwin: Rhapsody in Blue
で、後ろの3つにチック・コリア氏が出ています。あとアンコールも。
彼は、喋りも洒脱で面白いし、何と言ってもガーシュインのラプソディ・イン・ブルーのアレンジにしびれました。


マンハッタンの絵を一回バラバラにして、猫とかアパートの住人とか書き入れたり、色足したりしてから、戻して、遠くから見るとマンハッタンの風景だって明らかに分かるけど、近くで見るといろんなシーンがある点描画とかモザイク画みたいな印象。
全体はラプソディ・イン・ブルーなんだけど、全然違う印象でした。

あと、今回、奏者の指の見える席を選んでもらったのですが、やっぱりすごい。指長い。
ダックリッジ・ファーム


Duckridge Farmというめちゃくちゃ美しい場所で開催されたPortland Piano Internationalのファンドレイジングイベントでピアニスト、Gabriele Strata氏の弾いたリストの指使いを見てからというもの、指の見える席にハマっております。
恩田陸の『蜜蜂と遠雷』を読んだ影響もあるかもしれませんが…


2019年4月11日木曜日

オレゴンシンフォニー忘備録

忘れてしまいそうなので、こちらに覚書です。


オレゴンシンフォニーのオープニングナイト
2018/9/23に見た大御所ソプラノ歌手Renee Fleming (ルネ・フレミング)- 前半、曲自体も変わっていて、この曲、覚えてないかな?という感じもあって微妙でしたが、よりポピュラーな曲の多かった後半、やっぱりすごかったです。声量といい、表現力といい。
でも、正直、オレゴン・コンサート・オペラで見た若手ソプラノ歌手、Audrey Lunaの方が感動したかも…。



2018/11/03に見たPetrushka -人形使い役の指揮者Carlos Kalmarや村の人々に扮したミュージシャンの演技など、Doug Fitch氏の演出が面白くて、かなり楽しめました。Doug Fitch氏は毎度その土地のアーティストを加えてステージにローカル色を出すらしいですが、ポートランドは、一輪車に乗ってダースベーダーの仮面を被ってバグパイプを演奏する地元のセレブ「ユニパイパー」やジャグラー、大きなクマまで登場する、やたら面白いコンサートでした。


2019/03/16に見たスパニッシュギター、Pabrlo Sainz Villegas。すごいなーと思いましたが、あれですね、出番が短い。前半、Johannes Brahms "Serenade No.1"で始まり、インターミッションの後に出番があり、Stephen Goss "The Albeniz Concerto"演奏後、またオーケストラのみになるという。でも、後のJoaquin Turina "Danzas fantasticas"も良かったです。

ちなみに指揮はCarlos Kalmar氏。この方の解説は毎度、とても好きです。

2018年9月17日月曜日

子供と一緒に!ポップコーンパッケージとペン&テラー

今年は、ホワイトバードのダンスシリーズをお休みし、オレゴン・シンフォニーのコンサートへいくつか行こうと思っています。

そのシリーズの1つに、映画に合わせてそのサントラをオーケストラが演奏するという「ポップコーン・パッケージ」がありまして、早速、1つ目、スターウォーズに行ってきました。


いやー、贅沢。
子供も大興奮でした。それにしてもハリソンフォード、若っ・・・

こちらのパッケージは、あと3本ありますので、興味のある方はぜひ!

それからもう1つ、子供と出かけたのがこちら。
アメリカを代表するマジシャン「ペン&テラー(Penn and Teller)」のショーです。

入場者全員に配られた手品に使う4枚のトランプカード

毒舌の大男ペンと一切しゃべらないテラーのコンビの手品は観客を巻き込んで、まあ笑えるし、驚かされるし、すごいエンターテイメントでした。


このビデオのマジック、ステージのオープニングアクトでした。
ラスベガスが本拠地みたいですね。チャンスがあればぜひ見て欲しいです!

TBA: Andrew Schneider

TBA18、もう1つ見てきたのが、アンドリュー・シュナイダーの「アフター(After)」。PSUのリンカーンホールで開催されたのですが、ものすごい人、それもアート系のヒップスターで、いっぱいでした。

入る前に、かなり長い間、真っ暗になって霧とかも出るし、ストロボもすごいけど、安全ですからね、との注意がありましたが、まあその通りの前衛的で面白いステージでした。目の前で、一瞬でシーンが変わるのがすごい。



しかも、ユーモアもあって、マインドフルネスを感じさせるナレーションも意外と響いたりして。「死後」とか「最期」とかにまつわる哲学的なことをテーマにしているのに、例えば取り返しのつかない出来事が、恋人や親を傷つけた、とかじゃなくて、車のトランクに鍵残して閉めちゃった、みたいな、あー、あるある、そりゃちょっと時間戻したいわ、とかだったりして、肩の力を抜いてついていけました。

あ、あと、これはストレートに時間を意識させられるから、Time Based Artのテーマにふさわしいんじゃないかなーと思ったりしました。

要チェックのアーティストだと思います!

2018年9月15日土曜日

TBA: 18 - Ann Hamilton: habitus

今年もTBA (Time Based Art) Festivalの季節がやってきました。

タイムベースド・アート・フェスティバルは、 PICA(Portland Institute of Contemporary Art)が2003年から毎年9月に、鑑賞に時間性が伴う(「タイムベースド」)ことを軸に構成されている前衛的な芸術祭です。
全米および世界からアーティストが集い、併せて評論家や観客もやってくるそうです。




その中から、昨日、オハイオ出身のアーティスト、アン・ハミルトン(Ann Hamilton)の展示を見てきました。

場所は、パール地区ウィラメット川沿いのCentennial Mills Pavilion。歴史ある製粉所の跡地の屋外パビリオンです。


中には、12の巨大な天蓋の幽霊みたいな布のオブジェが浮いています。

このオブジェは、川風を孕んで膨らんだり、繋がれた滑車の紐を誰かが引くと、くるくる回ったりします。

ふわふわした持ち手の付いた紐

紐を引くと、ハーモニカのような、笛のような、ちょっと神秘的な音色が響くこともあります。

スタッフが説明してくれたところによると、「アン・ハミルトンは、この紐を引いて手を放す、というチャペルの鐘を鳴らすような体験が、私たちはどうしても物事に固執してしまうところがあるけれど、それを解き放つことも必要だ」といったことを伝えようとしているんだとか。


建物のモデル以外、全て手を触れてもよく、中にも入れます。


また、住居、家庭、聖域などに関する引用文やイメージが自由に持っていけるように並べられていました。

屋外での展示って好きです。デジタルじゃないのも、作品に触れられるのも嬉しい。
明日までです!

ちなみに今晩は、アンドリュー・シュナイダーのステージを見に行く予定です。

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2018年5月21日月曜日

すごい!Ballet Hispanico

ポートランドのダンスシリーズを招聘する「ホワイトバード」の今シーズン最後の「バレエ・ヒスパニコ(Ballet Hispanico)」を先週、シュニッツアーホールで見てきました。これが予想以上にすごい良かったのです!

Ballet Hispanicoは、ニューヨークのラテン文化をダンスで表現するというヒスパニックなダンスカンパニー。ジェニファー・ロペスもここ出身だそうです。
夫がブラジル人だからラテン贔屓というわけじゃないつもりですが、えらくこのカンパニーにはハマりました。新しい作品ばかりってのも絶対にある気がしますが、すごく新鮮で、「今」な感じ。
2回のインターミッションを挟んだ3部構成だったのですが、1部からスタンディングオーベーションで盛り上がっていました。

LINEA RECTA by Annabelle Lopez Ochoa from Ballet Hispanico on Vimeo.


1本目は、ベルギー系コロンビア人のAnnabelle Lopez Ochoaが振り付けを担当した"Línea Recta (2016)"。フラメンコをアレンジしたものですが、スピード感も迫力もあるし、衣装も新鮮で、よかったです!

CON BRAZOS ABIERTOS by Michelle Manzanales from Ballet Hispanico on Vimeo.

2本目は、テキサス出身のメキシコ系アメリカ人のMichelle Manzanalesが振り付けを担当した" Con Brazos Abiertos (2017)"。ステレオタイプのメキシコ文化などを使って、悲壮にならずに、2つの文化の間でアメリカに移住者として暮らすことについて表現した作品です。
これが、結構、アメリカ文化で育つ子を持つ私としてはグッと来たわけです。


3. CATORCE DIECISÉIS by Tania Pérez-Salas from Ballet Hispanico on Vimeo.

最後は、メキシコ出身のTania Pérez-Salasによる"3. Catorce Dieciséis"。これも美しかったですが、私がどうしても引いてしまう宗教色がちょっと気になりました。

でも、どれもとっても見応えがありました。機会のある方、ぜひお出かけください!



2018年4月30日月曜日

ホワイトバードダンス 2グループ

忘れないように・・・見たやつ、書いておきます。

1つは、「ステファン・ペトロニオ・カンパニー(Stephen Petronio Company)」。1984年創立のニューヨークベースのダンスカンパニーです。

「ブラッドラインズ(Bloodlines)」と題された今回のパフォーマンスは、主催のステファン・ペトロニオさんが影響を受けた振付師のダンスを取り上げるというもの。
なので、最初は、ポストモダンダンスの第一人者イヴォンヌ・レイナー(Yvonne Rainer)の「Diagonal」「Trio A with Flags」 「Chair-Pillow」という60年代の3作品、それからスティーヴ・パクストン(Steve Paxton)の「Excerpt From Goldberg Variation」という86年の作品、インターミッションを挟んでアンナ・ハルプリン(Anna Halprin)の「The Courtesan and the Crone」という99年の作品、最後にステファン・ペトロニオ氏が振り付けを担当した「Untitled Touch」(2017)という流れでした。

ダンスを知っている人だと、歴史を追うことも感慨深く、興奮できるのかもしれませんが、やっぱり私は「なにこれ!初めて見た!」という新しい作品が好きです・・・。なのでもっとステファン・ペトロニオ氏の作品が見たかったです。

ちなみに、イヴォンヌ・レイナーの代表作という「トリオA」のwith Flagsはアメリカ国旗だけしか身につけていない男性3女性1の4人のダンサーによる作品でございました。裸はやっぱり印象に残ります。

もう1つは、「アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアター(Alvin Ailey American Dance Theater )」。こちら、以前サンパウロで見て、すっげえ!ダイナミックでかっこいい!と思い、楽しみにしていたニューヨークの黒人中心のダンスグループ。

今回上演されたのは、LAのドラッグとディスコのナイトライフを描いた「Stack-up」(1982 Talley Beauty振付)、マーティン・ルーサーキングのスピーチにインスピレーションを得たという「R-Evolution, Dream」(2016 Hope Boykin振付)、それからインターミッションを挟んで「Revelations」。「レベレーションズ」はサンパウロでも一部見たのですが、これが一番よかったです。他もいいのですが、でも「レベレーションズ」ほどではない気がしました。期待しただけに、ちょっと残念かも。

2017年10月11日水曜日

コッポラ監督&Complexions

書かないと忘れちゃいそうなので、最近、行ってきたイベントについてです。

1つ目は、"Live Cinema and its Tequniques Francis Ford Coppola"出版を記念したフランシス・フォード・コッポラ監督の公演です。ナイキのフィル・ナイト氏以来、公演聴きに行くの久々です。


フランシス・コッポラ監督といえば、やっぱ「ゴッドファーザー」ですかね。
最近は、コッポラ監督と聞いて、娘、ソフィア・コッポラの方を思い浮かべる人もいますかね。お孫さんのジア・コッポラも監督2作目を仕上げたそうで。

そんな彼の祖父から孫の代まで5世代にわたるTV&映画一家をベースにした話を、実際のTVの誕生、変遷とからめて、テレビの生放送のように見せる実験的な映画(ライブシネマ)についてのお話でした。

コッポラ監督は、Melena Ryzikというニューヨークタイムズのライターがインタビューする形式だったのですが、裏でなんかあったの?というくらい彼女に対して無礼なとこがあって、うーん、やたら押しが強い印象でした。

話の中で記憶に残ったのは、「映画は短編小説のようなもの」という考え方。映画は、いろんなドラマがあるからか、長編作の印象を持っていたのですが、「1シーティングで消費するエンターテイメント」という括りだそうです。確かに、映画は一旦座ったら一気に話を最初から最後まで見て、長編小説のようにしおりを挟んで、何度にもわたって読むことはないです。
なるほどー、と思って。

あと、作家で脚本家でもあるコッポラ氏が書くコツについて問われて、紹介していた彼の手法についても書き留めておきます。
彼は、毎朝決まった時間にできるだけ書き進めて、ある程度量がたまるまで読み返さないそうです。読み返すと自分で書いたものが気に入らず、書き直さずにはいられなくて前に進まないけれど、ある程度書いてからだと、結局直すのですが、その時に、ある程度の方向が見えてくるのだとか・・・。

あ、それから、彼のリハーサルの手法も面白いと思いました。
彼は、台本を離れて役柄になりきるリハーサルを実践するそうです。例えば、役者本人ではなく、自分が演じる役の人が選んだという想定のコスチュームで参加する仮装パーティーとか。
役者にその役の人として振る舞ってもらうんだそうです。例えば「今日何していたの」といった話でも、考えて、答えて・・・という過程で、その役の「記憶」が作られるんだそうです。それを夫婦役でやれば、夫婦として共有できる記憶、歴史があるかのように。実際にそれにまつわる会話が台本に出てくることはないけれど、そんな記憶が役をリアルにするんだとか。
「ガラスの仮面」で似たような考え方、あったような・・・。

それにしても、もう長く映画館で子供映画以外見ていないのですが、やっぱいい映画見たいなーという気になってきました。

2つ目は、ホワイトバードのシーズン1つ目!「コンプレクションズ」というニューヨークのダンスカンパニー。元Alvin Ailey American Dance TheaterのプリンシパルダンサーでコレオグラファーのDwight Rhoden とAmerican Ballet Theater初の黒人ダンサーで、Alvin Ailey でもダンサーを務めたDesmond Richardsonが創立しました。

アルヴィン・エイリー・ダンスシアター、すごい好きだったので、期待していたのですが、すっごいよかったです!バレーってこんなかっこいいんだ!と。

前半は、Ballet Untoというバッハの曲の作品で始まり、Imprint/Mayaというデズモンド氏のソロ。後半は、Star Dustと題したデイヴィット・ボウイのメドレーでした。


それぞれ、全然違うのですが、どれも甲乙つけ難いくらい良かったです!
おすすめですー。

【関連ポスト】



2017年9月15日金曜日

Taste of Japan:ポートランドの和食レストラン、掲載開始です

夏の間、全くブログが更新できていませんが・・・追って、何したかとか、書いていきたいと思っています。

とりあえずのご報告は、こちら、農林水産省の「Taste of Japan」という世界の日本食レストランを紹介するサイトのポートランドエリアの掲載が開始したことです!

日本邸園内のUmami Cafe。早朝のベランダ席、最高です。

「日本の食材を使う」ことを条件に、順に取材しています。今後も増えていく予定なので、ぜひ、チェックしてみてくださいね。

ちなみにテキストは、英語に翻訳してもらっての掲載でございます。


そうそう、昨晩、シルク・ドゥ・ソレイユの「KURIOS – Cabinet of Curiosities(キュリオス - キャビネット・オブ・キュリオシティズ)」、見てきました。30周年記念作品だそうです。




サーカス、最近結構行きますが、シルク・ドゥ・ソレイユは、音楽もセットもやっぱすごい。

ポートランドでの公演場所は、エキスポセンターです。こちらから行く方は、道が混むのでお早めにご出発くださいませ。


2017年4月27日木曜日

ホワイトバードのショー3つ

ウォルターさんとポールさんが主宰する「ホワイトバード」は、ポートランドに世界中のダンスカンパニーを招聘しています。今年は、シーズンチケットを買わずに、単発で2つだけ買うつもりだったのですが、1つ見に行ったところで、次のも行きたい・・・という流れになってしまい、バタバタと続けて3つ行ってきました。
忘れないように書いておきます。

White Bird 主催の2人

1つ目が、3月初旬、ニューマークシアターで見た「Companhia Urbana de Danca」。アートディレクター兼振付師のSonia Destri Lie女史が7人の男性ダンサー+1人の女性ダンサーを率いるリオ・デ・ジャネイロのグループです。ブラジルにいる時にも名前は聞いたことがあったものの、行く機会がなかったので、これは見たい!と、ダンス好きの友達と出かけました。


ID:Entidades

この日のプログラムは、"ID:Entidades (2009)"と"Na Pista (2012)"の2部構成。
前半は、メロディを排したコンテンポラリーなダンス。後半は、服の自慢や椅子取りゲーム風の振り付けがあるダンスパーティー風のパフォーマンスでした。こちらリオのファヴェーラの日常にインスピレーションを得ているそうですが、ブラジルのお兄ちゃん達の家に来たような・・・ダンスの分かる友人は、前半を評価しておりましたが、後半も楽しかったですよ。


Na Pista

で、このパフォーマンスの際に、「Ronald K. Brown/Evidence来るからね」との案内があり、友人が行きたいと言うので出かけることに。当の彼女の方は、仕事が入って来れなかったのですが…これが、すごかった!

Ronald K. Brown/Evidenceは、ロナルド・K・ブラウンが率いるブルックリンを拠点としたアフリカン・アメリカンのダンスカンパニーです。アフリカンダンスの要素を取り入れたコンテンポラリーダンスで知られているとのこと。
ニューマークシアターで、"Why You Follow/Por que Sigue (2014)"インターミッションを挟んで、"Lessons: March (Expert) (1995)"、"On Earth Together (2011)"が披露されました。


アフロ・アメリカンのダンスカンパニーといえば、サンパウロで見たアルヴィン・エイリー・ダンスシアター(Alvin Ailey American Dance Theater)を思い出すのですが、ロナルド・K・ブラウン氏もここでダンサーをしていたようです。

彼もダンサーとしてステージに登場したのですが、彼とアソシエート・アートディレクターのフィリピン系アメリカ人Arcell Cabuagさんが、どうもダンサーって体型じゃないのに、すげえ踊れるってのにも驚きました。余計なことですが・・・

で、このステージで、ポールさんが、「次は、チェ・マランボ、来ますよ。ラテンのカウボーイたちが勢ぞろいして、汗まみれで踊るステージなの、素晴らしいに決まってるでしょ?」とか案内するので、こりゃ行かねば、と思い、またしてもチケットを取ったのでした。

Che Malamboは、アルゼンチンのガウチョ(カウボーイ)の伝統を取り入れた男性ダンサーのみのカンパニーです。フランス人の元バレーダンサー兼振付師のGilles Brinasがアートディレクションを担当。
アーリン・シュニッツァーホールで披露されたのは、ストンピング、ボンボ(太鼓)、かつて武器として使った重りのついたロープでリズムを刻み、さらに歌なんかも披露されるタレントショーみたいなステージでした。プリンスみたいな顔の人がいっぱいの。




それにしても面白かった。タンゴもいいけど、これはまた独特で。やっぱ国外のアートディレクターの力でしょうか、フォークロアというより、コンテンポラリーなステージでした。特にロープの高速回転がすごかった。汗、飛び散ってました。

Che Malambo

客席から、スペイン語で「私と結婚してえ〜」なんて言う黄色い声も上がってましたよ。オススメです。

2016年11月24日木曜日

Seu Jorge "The Life Aquatic" デイビッド・ボウイへのトリビュート


昨晩、ブラジルのミュージシャン、セウ・ジョルジ(Seu Jorge)のデイビッド・ボウイへのトリビュートコンサートが、ポートランドのシュニッツアーホールで行われました。
チケットを買うのが遅くなったのもあるのですが、すごい人気なので、これは・・・デイビット・ボウイファンが来るのかな?と思っていたのです。

が、会場には、赤いニットキャップ人口の多いこと…!


「ライフ・アクアティック」のファンが来ていたのでした!

というのも、セウ・ジョルジは、ウェス・アンダーソン監督の映画「ライフ・アクアティック(The Life Aquatic with Steve Zissou)」に出演して、ボウイの曲をポルトガル語でカバーして歌っているのです。映画のサントラもこれ

思い起こせば、主演、ビル・マーレイで、ゆる〜くて、もう自分の好きな要素ばかりかと期待してみれば、いまいちピンとこなかった映画なのですが、カルト的のファンが多いそうで。
セウ・ジョルジも、映画同様の赤いニットキャップでステージに登場です。


彼の声がすごい好きなのですが、本人もやたらチャーミングで良いショーでした。

映画の話をもらうまで、デイビット・ボウイ、聞いたことなかったというセウ・ジョルジ。1曲目の「レベル・レベル」、手もつけていなかったけど、初日に「できてる?」と聞いてきた監督をがっかりさせたくなくて、「集中させて」ともらった50分で作った、なんて、すごくブラジル人らしいことをMCで言っていましたが・・・本当でしょうか。


ショーのアンコールでは、スクリーンが降りてきて、映画の場面や、ボウイの顔のコラージュなんかが映し出されました。
いやはや、本当に良いショーでした。

しかし、2列前に、ブラジル人のねーさん方がいたのですが、ブラジルのノリで、叫ぶは、一緒に大声で歌うわってしていたら、セキュリティにつまみ出されてしまいました。

まあ、周りは相当迷惑がっていましたが・・・ブラジルでは、ライブはカラオケ状態でも普通ですが、アメリカですからね。


それでも、ショーは実に良かった。CD、ボウイ・ファンにもオススメでございます。

2016年9月28日水曜日

スケートボードのアップサイクルしたジュエリーMapleXO

先日、edeaの取材で、MpaleXOというスケートボードを使ったジュエリーや小物を作るブランドを訪ねてきました。

MapleXOのオーナー所有の共同スタジオ兼ショップ「The Mill」
こちら、たまたまここの前を通りかかった時に、古いスケボーを担いだ兄さんが、ピンポ〜ン!・・・ピンポ〜ン!・・・閉まってる・・・ってやってたので、話しかけて、その存在を知ったのでした。

で、気になって、(閉まっている時に行かないよう)アポとって出かけてみたところ、これが実に「今人気のポートランド!」的なお店だったわけです。edeaの記事が短いので、書ききれなかったことを、こちらにお伝えします!

MapleXOの創業者でオーナー兼デザイナーは、Lindsayさん。もちろんスケートボーダーです。15歳からスケートボードを始め、スケートで街を行くと、カーブや駐車場が魅力的に見える!という別の視点が開けていく魅力に取り憑かれたんだとか。

Lindsayさん
10年ほど前に、趣味で古いスケボーを使って、ジュエリーなんかを作っていたところ、友人たちからの反響が良く、6年前にビジネスとしてMapleXOを創立。3年ほど前にセレクトショップ兼CO-OPスタジオのThe Millをオープンしたそうです。

The Millのショップ

おしゃれな店内には、メープルXOのアイテムはもちろん、スケボーつながりの友人やアーティストのクラフトも並んでいます。

スタジオ部分を見学させてもらいました。

機械のハンドルにもスケボーのタイヤが・・・
メープルXOが素材として使うのは、使い古したスケートボードと、「スケーツ・スクラップ」と呼んでいるスケートボードを作る際に出る産業廃棄物の両方。

例えば、使い古したスケートボードから、丸くくりぬいて、3つのループイヤリングを作ります。

まず、丸くくり抜きます
フラットにします
角を削って、なめらかな曲線をつけていきます
円の中の部分。最終的には、3つのイヤリングができます
ショップで販売されているイヤリング
イヤリングのペアは、同じボードから作るので、パターンは同じ。とはいえ、1つとして同じものはありません。

デザインから電動工具を使ってジュエリーを形にするまで、女性スタッフが活躍。繊細な曲線は、やはり女性が得意な部分なんだとか。「パワーツールを使って、エレガントなジュエリーを生み出すの。ウーマン・パワーって感じ?」だそうですが、それ、かっこいい!

看板犬とスタッフ
他にもタイヤを使った植木鉢や、ボードのブレスレット、ネックレスなどいろいろな商品があります。

タイヤの植木鉢
底には、スケーツスクラップが使われています
スケーツスクラップは、スケートボードメーカーと共同で開発した、ゴミになる板を貼り合わせたもの。色のパターンは、メーカーが迷わずに、同じクオリティを保てるよう、すべてリンジーさんがチャート化したそうです。

メーカーから届けられるスケーツスクラップ
ポップで、木が手に馴染む栓抜き
乳がん啓蒙オークション用の作品
工房には、他にもスケボーつながりの仲間がそれぞれの作品を作っています。日本のメディアで見たことがあったネオンサインの工房もここにありました。


古道具屋で見つけた金具で作るタトゥーマシンのツール

ネオンサインを作る「ザ・タイニー・スプーン」の工房

バイク…
メープルXOとのコラボのテーブルライト。欲しい!
超高級な木製ハンマー
イラストレーターNethan McKeeの部屋
デビッド・ボウイの缶バッジ作成用
みんな、スケートボードと何らかの接点のある人ばかりだとか。通路や給湯室にもボードが飾られていました。



とてもいい感じです。

お店は見ているだけで楽しいですし、もちろんお土産探しにも行ってみてくださいね。

ちなみに私が手に入れたのは、こちら。ラッピングもかわいいですよ。
スケートボードをリサイクルしたピアス

MapleXO
The Mill - 2925 NE Glisan St, Portland, OR 97232