2017年2月23日木曜日

HUB取材こぼれ話

Heaps Magazineに「はじまりはパタゴニアからの“突然の電話”。タッグを組んだHUB、「完璧な缶ビール」を生むまでの試行錯誤」を掲載してもらいました。

取材を受けてくれたHUB創業オーナーのクリスチアンさん

実は、Q&A形式で記事にしたので、ここでのこぼれ話はあんまりないんですが・・・、面白かったのが、パブの下にある醸造所の見学。パブも広いけど、醸造所も広い。

上のパブのタップハンドルを動かすと、できたてのビールが、吸い上げられる様子も面白い。本当にできたてなんですね。オーナーは、「一杯、売れた音〜」とか言って喜んでいました。今まで環境について語っていたのに、正直なのね。まあ「ビジネスの側面がうまくいかないと、社会貢献もできないし、続かない」というのが現実ですからね。


それと、ここではサイダーも作っているんです。「うちのサイダーは、美味しいよ。できたてなんて、さいこー!飲んでみる?そのベルトから取っていいよ」などとおっしゃる。


勧められるまま、初めて、流れていく缶を取って飲みました。美味しい。でも、数、合わなくならないのかなー。

しかも、「ビール好きなの?持ってく?」と、お土産までくれました。できたてビールのロング缶16本!嬉しいなあ。

冷蔵庫がビールだらけ!で、娘が文句たらたら

やっぱり酒の作り手とか、シェフとかは、話しやすい。この手の仕事を増やしたいものです。

そうそう、別メディアですが、サイダー記事も掲載されました。こちらもよろしければ、読んでやってくださいませ。

2017年2月16日木曜日

ポートランド市立小学校の給食

アメリカの公立学校の給食って、結構ひどいイメージありますよね?

でも、グルメで最近知られるポートランド、なかなか頑張っています。旬の食材(「ハーベスト・オブ・ザ・マンス」)をフィーチャーしたり、地元の食材を使った「ローカル・フレイバーズ」を提供したり。ちなみに36%が地元生産者から購入した食材だとか。

ポートランドの公立の小学校では、ホットランチかコールドランチか選べるのですが、コールドランチがお弁当。ホットランチがカフェテリアで準備された食事です。

こういう1年のメニューカレンダーが、学期の最初に配布されます。


曜日ごとに提供される「子供が好きそうな(ジャンキーな)」アイテムと、日替わりのメニューがあります。

2月10日(金)、「スケトウダラとローストポテトとコールスロー」もしくは「チキンサンドイッチ(レギュラーかスパイシー)」の日にカフェテリアに行ってきました。

11時頃から、下の学年から順番に、決められた時間だけカフェテリアを使用できます。ホットランチ希望者は、順番に配膳カウンターをプラスチックのワンプレートを持って進んでいきます。


配膳するのは、3年生以上の当番の学生。3年生のフィンリーちゃんは、チキンサンドイッチとローストポテト担当のようです。


決まりでは、野菜と果物から最低でも1つ選ばなければいけないとのこと。この日は、コールスローに加えて、レタスサラダやケール、それにグレープフルーツとか、私の好きなものもありました。

出来上がりはこんな感じ。悪くないですよね?
ちなみに今年度のランチの値段は、一食2.7USD(今日のレートで約304円)。


いや、日本の給食とか、フランスの給食に比べると(見ました?「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」)イマイチ、と思うかもしれないですが・・・オーブンから出てきたポテトや魚は温かいし、野菜や果物もみずみずしい。

飲み物は、低脂肪乳かチョコレートミルクかを選べます。


イーディーちゃん、チキンサンドイッチにも、ちゃんとレタス&トマト、入れてますね。「美味しいよ!」と言っておりました。

食べる時間が短いのが、辛いところではありますが…。
あと、ちゃんと野菜をできるだけ多くプラスするのを守れば、ですかね。色は皿だけで、ちゃいろーいものだけの子もいますから。

2017年2月2日木曜日

「ブリッジ・ミドウズ」取材こぼれ話

先日、BeInspired!に掲載してもらった「『68人家族です』。米ポートランドで見つけた孤独な子供と高齢者が一緒に暮らす『新しい家族のかたち』、ブリッジ・ミドウズ」のために、先日、Director of Resource DevelopmentのLani Faithさんに電話取材をしました。本当は、出かけたいとこなのですが、ひどい天気が続いて、予定が合わず・・・。

BeInspired!の方に入れきれなかった話を、こちらで忘れないように(さっき取材メモに茶をこぼしてしまって、びしょ濡れなやつを捨ててしまいたいこともあり)書いておきたいと思います。

さて、ブリッジ・ミドウズ。低所得シニアと、養子縁組した子供とその子供の親(全員がシングルマザー)の3世代が、「大きな家族」をコンセプトに暮らすコミュニティです。



低所得シニアは、安い家賃で素敵な家に住める代わりに、100時間のボランティアが課されます。これは、得意なことを基本行うそうで、例えば、以前教師をしていた人は、子供たちの宿題を見てあげたり、元カメラマンが写真を教えたり、また、元プロでなくても、掃除や食事の準備、子供たちを公園に連れていくといった、「孫」と「子供」をサポートする内容です。

このボランティアと週に一度の食事付きお楽しみ会があることで、コミュニティ内の交流が生まれ、家族のような関係が構築できる、というアイディアです。

ここからは、LaniさんとのQ&Aで書いていきますね。Rが私で、Lがラニさんです。

ラニさん

R: 全米で唯一の都市にあるこのようなコミュニティ施設だそうですが、都市にあることを重視していますか?

L: はい。公共交通機関、公立の学校や公園、図書館といった施設が側にあることを重視して、場所を選んだわ。隔離された施設ではなく、近隣と交流を保つことができることが、大事なの。


R: 新しく2カ所に住居ユニットを建設予定なんですよね。やっぱり、需要が増えているってことでしょうか?

L:ええ。現在のユニットは、すべて埋まっていて、入居希望者のウェイティングリストがある状態よ。


R: あまり退去者は出ないのでしょうか?出る場合、退去する理由は何ですか?

L: そうね。全くいないわけじゃないけど、入れ替わりは少ないと思うわ。
理由は、別の町の家族の近くに住むことになった、とか、転職や転勤、転校などで、ここから通えなくなった、とか。
シニアの場合は、病気などで、独立して暮らせなくなった場合は、退去してもらうことになるの。残念だけど。ただ、ケアハウスなどに入っても、交流が続くことは多いのよ。

R: 入居者は、どのように選ぶのですか。

L: こちらで好きな人を選ぶことは法律で禁止されているし、行わないわ。基本、経済状況や年齢などの条件を満たした方が、先着順で入居することになっているの。

ただ、面接を行い、コミュニティの内容は詳しく説明するので、ここに不向きな方は、たいてい申し込まないと思う。
特にシニアの方の申込書は、22ページもあるし、短期トレーニングも受けていただくし。入居者とかなり密に関わることになるのはもちろん、養護施設で暮らしてきた、トラウマを抱えた子供たちと向き合える度量が必要なので・・・。


R: 世代を超えた交流がフォーカスされますが、同世代間でも交流があるのですよね?

L:もちろん!シニア同士やシングルマザー同士は、友達になる人が多いわ。子供同士は、兄弟というより、いとこのような感じね。気の合う子もいれば、そうでもないって子も・・・。
ただ、みんな、一般の子供に比べて、苦労してきてたりするから、分かり合えるってのはあるみたい。子供は、敏感だから・・・。


R: ラニさんが、このコミュニティのモデルで最も素晴らしいと思っていることは何ですか?

L: うーん、もう、たっくさん切りがないくらい、心温まる話はあるんだけど・・・経済的な意義も大きいの。
児童養護施設で暮らす子供たちは、将来的に定職につけず、生活保護を受ける割合が非常に高いというデータがあるわ。
それと、孤立した高齢者は、心身の健康を損ないがちで、彼らも早くから生活保護に頼ることになる。このモデルは、そんな状況を回避するための手段になりうるのよ。

子供たちは、安定した家庭環境とケアしてくれる個人に守られるし、シニアは、よりアクティブになるから。

R: なるほど。社会にも貢献しているんですね。政府に援助しろ、って思いませんか?

L: ははは、そうね。今は、基本、援助してもらってないから・・・。

R:この施設を作る際の 一番の難関はなんですか?ファンディング?

L: もちろんお金を集めるのは大変だけど・・・この施設の難関よね・・・難関って呼ぶのが正しいかは分からないけれど、新しい施設を作る際の土地をどうするかは、大仕事よね。土地自体もそうだけど、その地域住民の理解を得ることも必要だし。

R: 地域住民に反対されたりするんですか?

L: 養護施設の子供が増えることで、学校や近所でトラブルが起きるのでは、と懸念する人がいるの。養護施設にいる子供たちの99%は、自分のせいではない理由で養護施設に入っていると言うのにね。

R: どうやって説得するのでしょうか?機能しているユニットがあるのは強みですよね?

L: そうなの。実際に、ノースポートランドのユニットを見てもらえるから。サステナブルで美しい施設なのもプラスよね。

ノースポートランド・ユニット

R: 最後に、数多くあるという心温まる話の1つを教えて下さい。

L: うーん、本当にたくさんあるのよ!でも、そうね、じゃあ、レバの話にするわ。
彼女は、年齢的にはシニアなんだけど、2人の孫を養子にしたシングルマザーでもあるの。
レバは、カリフォルニアで定年退職して、一人で暮らしていたんだけど、ある日突然「孫を引き取れるか」と、電話を受けたの。彼女は、何が起こったのかとか、先のことはあまり考えずに「もちろん!」と返事して、次の日の1便目でポートランドに来たそうよ。
孫たちは、その時7歳と9歳だったんだけど、親がヤク中で、一度も学校に行ったこともなかったの。
で、まあ、引き取ったのはいいけど、知り合いもいない土地で、どうしようか、と悩んでいたところ、このブリッジ・ミドウズの存在を知って、入居することになったのよ。

ラバさんとお孫さん

で、彼女もすごく仲良くなったシニアの女性がね、元教師で、土曜日の夜、子供たちの家庭教師をしてくれることになって・・・。お姉ちゃんは、アートが好きで、今、元カメラマンのシニアに写真を習っているし、妹の方は、もっとアクティブで、スイミングに通っているわ。それも、別のシニアが連れて行ってくれるのよ。
二人とも「おばあちゃん」って呼ぶ人が周りにいっぱいできて、勉強や運動もできるようになって、すごく明るくなったって、レバは喜んでいるわ。

R: いい話ですね!ありがとうございました。

Photo by Bridge Meadows

DRESSでの連載開始です。

「自分らしく輝きたい女性のためのWebメディア『DRESS』のライターとして採用していただくことになりました。1本目は、それもビールの紹介。「アメリカ・オレゴン産のクラフトビール5選。冬にもおすすめ!」です。



「仕事だからー」と飲みたいやつを買い占めて、勝手にレビューしております。ぜひ、読んでくださいませ。