2017年3月14日火曜日

「シスターズ・オブ・ザ・ロード」取材こぼれ話

BeInspired!サイトに掲載していただいた「“炊き出し”なんて時代遅れ。ホームレスに「タダで食事を与えない場所」が日本にも必要な理由。」ですが、現段階でフェイスブックで260人以上にシェアしていただくなど、たくさんの方に賛同いただき、嬉しい限りです。

シスターズ・オブ・ザ・ロード

この記事をまとめる時に、内容が散漫になる気がして省いた話をこちらに記しておこうと思います。ざっくり言うと、生活困窮者に労働の対価としてもヘルシーな食事を提供する「シスターズ・オブ・ザ・ロード(以下シスターズ)」というカフェの話なのですが、まずは、こちらから読んでもらえるといいかもしれません。英語に抵抗がなければ、このビデオもいいと思います。


さて、1つ目は、「ウィーメンズ・ケア・デイ(Women's Care Day!)」について。毎月第一金曜日に開催されるこの日は、女性(本人認識なのでトランスジェンダーなど含みます)のための1日。シスターズは性別に関わらず、誰でも歓迎しているのですが、この日だけは特別です。食事に加え、マッサージやネイルサービス、アート、アクティビティなどが行われ、女性たちがおしゃべりを楽しるよう企画されています。

「シスターズ・オブ・ザ・ロード」は、「過渡期の女性」という意味です。名前にも反映されているように、ウーマンズセンターで働いていたこともある創業者の二人は、男性に比べて弱い立場に立たされがちな女性をケアしたいと強く願っていました。ストリートにいる女性の多くが、家庭内暴力の犠牲者で、家から逃げ出した結果のホームレスだったりするんだとか。また、ほとんどの外で暮らす女性が性暴力に怯えているそうです。そんな彼女たちが、ほっと一息つける安全な場所と時間を提供しているのです。

それからもう1つが、このシスターズで働いて得るスタンプが、ファーマーズマーケットでも使えるという話。ポートランドの地産地消文化を象徴するファーマーズマーケットですが、生産者が心を込めて作った有機野菜の値段は、決してお安くありません。なので生活にそこそこ余裕がないと、ここで新鮮で美味しい商品を買うのは難しいのです。「それじゃあ、包括的なコミュニティじゃないよね」という話もあって、このスタンプをベンダーに受け入れてもらうようになったそうです。
ベンダーには同額をシスターズが後で払う仕組みです。去年は$30,000にもなったとか。
ちなみに、シスターズでスタンプを得るための労働はマックスで$30まで。5時間分に当たります。

働いてスタンプをもらうカード(黄)とミールクーポン(青)
最後にミールクーポンを作った時の話。ミールクーポンは1枚$2で購入でき、シスターズで1食+ドリンク($1.5)を買うことができます。
1990年のある日のこと。創業者の1人ジェニーさんは、シスターズの側で酔っ払ったホームレスが馬に乗った警官に壁に追い詰められているのを目撃。酔っ払いが人に迷惑をかけないシラフの状態に戻るには、お腹に何か入れなきゃダメだ!と思ったジェニーさんは、その場にシスターズから食事を運んで行ったんだとか。ところが警官は、ジェニーさんの取った行動がホームレスを甘やかし、ホームレスでいることを推奨する行為に当たると言及。追い払われてしまったのです。
シスターズに戻ったジェニーさん。暴力的な強制ではなく、暖かい場所で食事をとることの方がホームレス脱出に貢献できると信じているものの、このままでは警官との議論は平行線…。そこで思いついたのが、シスターズに来てもらうミールクーポンです。
早速ミールクーポンを制作すると、彼女は警察署に束で提供。もし次に近辺で酔っ払いやヤク中のホームレスと出会ったら、「とりあえず腹になんか入れて、落ち着け」と、ミールクーポンを渡してほしいと頼んだそうです。シスターズを知るきっかけにもなります。これがミールクーポン誕生の話です。今も教会なんかが買い取って、ホームレスに提供しているそうですよ。
ちなみにこちら、1枚$2ですが、印刷代を賄うためで、シスターズの利益には全くならないそうです。

ボランティアはいつでも募集しているそうなので、興味がある方は訪ねてみてくださいね。

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