ZGF本社の入り口 |
案内してくださったのは、なんと日本人の建築家、渡辺義之さん。渡辺さんは、見学させてもらったZGFの本社ビル「Twelve West(トゥエルブ・ウェスト)」の設計を担当された方です。
ZGF 渡辺さん |
ZGF受付 |
ZGF本社の入る23階建て、総面積5万平米以上の大きなビルは、ミックスユースの建物。オフィスのほかに、203室の賃貸住居やレストラン、ヘアサロンなどが入ります。
1階には、ショップやレストランが入ります。ブルースタードーナツも同建物内。 |
・・・いや、実は最初、気がつかずに、賃貸住居の方の受付に行ってしまいました。
いや、マンションの受付だって、すぐ分からない感じなんですって・・・!
マンション「Indigo」の受付 |
誰かここに住んで、夏に屋上バーベキュー呼んでくれないかなあ。いや、晴れてれば、ファイヤーピットもあるし、夏じゃなくてもいい!
発電用風車も並ぶ屋上。あいにくの雨でしたが、眺望抜群 |
いや、マンションの話、長くなりましたが・・・、このビルの特徴の1つが、ミックスユースなのですよ。
職住近接を実現し、ポートランドの街づくりの要にもなっているこの考え方。1階にレストランやカフェ、バー、ショップなど、その上階にホテルや学校、マンション、オフィスなどの入る建物が並ぶと、昼も夜も、また平日も休日も人の出入りができます。それにより、リテールの売り上げが伸び、エリアも活性化、また治安もよくなるんだとか。
トゥエルブ・ウエストのあるウエストエンド地区は、現在、流行発信地的なエリアですが、このビルが完成した2009年頃はまだ、ダイブバーなんかが集まるエリアだったようです。お隣のパール地区も同様、あまり治安のよろしくない倉庫街。ところが、このミックスユースを駆使した街づくりで、現在は、住みたい!とか出店したい!(でも高くて無理!)とかいうホットなエリアとなっています。
エースホテルなどの入る建物 |
えーっと、ZGFオフィスに戻ります。
受付側のロビー |
この建物の2階から5階がオフィスで、約260名が働いているそうです。地下は駐車場、駐輪場になっていて、自転車通勤者の為にシャワールームも完備されています。ライトレイル(電車)やストリートカー、バスの駅もほど近く、公共交通機関を使って出勤できます。ロケーションからして、サステナブル。
どこを見てもおしゃれなのですが・・・
いちいち絵になるオフィス |
それだけではない工夫がいっぱいされています。
例えば、階段の位置。
ど真ん中に階段を置いて、みんなから見える場所を歩いて移動させることで、他のフロアの社員とも自然なコミュニケーションが図れるフローを作っているそうです。
オフィスの真ん中の階段 |
同様に、キッチンエリアも、隅っこに隠れた日本の給湯室とは違い、堂々と同フロア内に配置されています。ここで、社員同士のコミュニケーションがまた図れるわけです。
給湯エリア |
噂話に不向きな、明るくオープンな給湯エリア |
もちろん、LEED(Leadership in Energy & Environmental Design; アメリカのエコ建築の認証制度)プラチナ認証を取得しているだけあって、サステナビリティに関する工夫が、本当に驚くほどたくさん盛り込まれています。
リフレッシュできる緑の多い屋外エリア |
屋上の話の際に写真を挙げた風力発電は、3機のエレベーターの動力を賄っているそうです。また、ソーラーパネルは、給湯器のお湯を温めるのに役立っているそうです。さらに、屋上ガーデンで集めた雨水は、トイレを流すのに使われています。
他にも窓ガラスは、光は通すけど熱は通しにくいので、照明や冷房の節約ができるとか、自然光で明るいと自動で電気が消える仕組みとか・・・。あと、いいなあ!と思ったのは、個別で風量を調整できる、床の冷風口。クーラーの真下は、めちゃくちゃ寒い!なんてことはないわけです。今は、もうどこもそんなにガンガンクーラー使ってないかもしれませんが・・・。
床のあちこちにある送風口。それぞれ調整可能。 |
というわけで、エコなビルで環境に良いのはもちろん、住む人や働く人など、そこに集う人が心地良く、効率良く過ごせるように、いろいろと考えられた建物なのです。
おしゃれで、先進的。日本から多くの方が視察に訪れると聞きましたが、いやはや、納得です。
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